群馬県の小嶋正さんが11月1日（日本時）に発見した、重力マイクロレンズ現象により明るくなっている天体「TCP J05074264+2447555」を撮影しました。

　おうし座に発見されたこの天体は、その後の観測で増光の前後で色の変化が無い事、スペクトルが通常のＦ型主系列星のものである事、この天体の位置にＸ線で明るくなっている天体がない事、紫外線と可視光線の増光幅がほぼ同じ事がわかりました。このような色やスペクトルが変化せずに明るくなる現象は、その星と地球の間にある別な天体がちょうど重なったとき、その天体の重力により光が曲げらる重力マイクロレンズ現象によって引き起こされます。
　重力マイクロレンズ現象は、これまでにも数多く発見されていますが、今回の現象はその中でも明るく、非常に珍しい現象です。