移住体験日記12/27-1/3【令和2年1月1日】【令和2年1月2日】

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2019年12月-2020年1月_千葉から

【令和2年1月1日(水)】
天気:晴 6日目 最低気温:-10.3度、最高気温:-3.7度
日の出:6時57分 日の入:15時58分 日照時間:9時間01分

今年の初日の出をどの地点から見るのかについては、出発前から我々2人の間で議論あった。陸別を拠点とすれば、道東地方の大体の初日の出観望地点に行くことができそうだ。東端の納沙布岬がよいか、南端の襟裳岬がよいか、それとも、摩周岳や雌阿寒岳の頂上から眺める初日の出も気になる。
しかしながら、ここは陸別。町内でどこかよい地点はないかと思案したところ、今年の2月にマイナス35度を記録した朝にダイヤモンドダストやサンピラーを見ることのできた、小利別の丘がよいのではないかとの結論に落ち着いた。
今日の日の出時刻は6時57分。陸別町市街地からは約15キロメートルの距離なので、日の出の15分前に自宅を出発することにする。現地は緩やかな丘の上なので、7時10分頃には日の出が見られることだろう。
6時15分に布団を出て、車のエンジンを掛けるために玄関の外に出る。自宅前の道路は、昨日の雨のせいか、アイスバーンの上にガリガリの氷の塊が転がっている。小利別までの国道242号線を無事に走ることができるだろうか。
出発時刻を迎え、車を走らせて国道へ出てみると、路面は思いのほか乾燥している。小利別に向けて順調に北上し、訓子府に向かう道道に入り、更に右に分岐して目的の丘の上に出る。日の出の時刻には間に合うことができた。今朝はあまり気温が下がらなかったためだろうか。木々には霧氷もなく、牧草地の雪も土が見えるようになってきている。東の空に雲はない。
山の稜線から、今年初めての太陽がゆっくりと顔を覗かせた。今回の移住体験の無事と、今年1年の平穏な生活を、今朝は多くの人に祈られているであろう太陽に祈る。
初日の出を見た後は、今回6湯目の芽登温泉を目指して走る。足寄から上士幌へ向かい、途中にある芽登の集落から分岐する道道に入り北上する。人工物が見えなくなり、山々が迫ってきたところで左に分岐する林道に入る。数キロメートルほど進むと、目指す芽登温泉の建物が見えてきた。陸別から66キロメートル、約80分の道のりだ。
受付で入湯料を支払い、浴場へ向かう。脱衣所にある温泉成分分析表は非常に年季の入った代物と思われ、その一字一句に目を通してしまう。温泉は自然湧出の単純硫黄泉。内湯は2つの浴槽があり、小さめの方の浴槽は大きめのそれよりも熱く設定されている。露天風呂はやはり2つの湯舟があるが、最も奥に位置する巨岩の湯は、女性専用の時間であるので、今は入浴を我慢する。
ゆっくりと2時間ほどお湯を楽しみ、芽登温泉を後にする。まだ昼食を摂っていないので、上士幌市街で食事場所を探すが、元旦の今日はどこもやっていないようだ。少し南下して、士幌の道の駅に向かうが、ここも今日はお休み。
士幌まで来てしまったので、帯広まではもう少しだ。更に南下すると、音更のファーストフード店が営業していたので、そこでようやく昼食とする。久しぶりに食べるハンバーガーは、空腹のせいもありとても美味しく感じられた。
元旦の今日は、早めに家に帰ってゆっくりと過ごそうと思う。


【令和2年1月2日(木)】
天気:晴 7日目 最低気温:-15.3度、最高気温:-2.1度
日の出:6時57分 日の入:15時59分 日照時間:9時間02分

今朝は7時30分に起床し、身支度を整えて8時30分に出発する。カネラン峠を越えて上足寄から国道241号線に入り、足寄峠を越えて9時30分に阿寒湖畔に到着する。北海道にはこれまでに何度も訪れているが、阿寒湖を間近で眺めるのは今回が初めてだ。湖面はほぼ結氷しているが、その厚さはまだ繊細な薄さらしく、氷同士が擦れる独特の音が辺りに響き渡っている。その後は摩周湖に向かい、第1展望台で昼食とする。霧はなく、摩周岳の山頂までよく見渡せる。
標茶町市街地に位置する富士温泉に向かう。ここは、丸型のぬる目の浴槽と、角型の熱めの浴槽が隣り合っている、十勝川温泉にも似たモール泉だ。今から20年ほど前になるが、夜行列車を宿代わりに道内を巡っていた頃に、標茶駅にほど近いこの温泉の存在を知っていたら、きっと何度も入浴しに来ていたことだろう。
今年の3月で廃止となる南弟子屈駅に立ち寄る。駅周辺には思いのほか住宅が見受けられる。弟子屈駅が摩周駅と改称されてしまった今では、弟子屈と名の付く唯一の駅だが、それももうすぐなくなってしまう。
この後は雌阿寒岳麓の野中温泉に向かう。途中の双岳台から見る雄阿寒岳のシルエットは猛々しく、美しい姿で聳えている。気温が低下してきたこともあり、峠を越えると、道は後輪を滑らせ始める。野中温泉の周辺は、いつも硫化水素臭で満ちているが、今日はこれまでで最も強い臭気を感じる。無類の硫化水素臭好きとしてはこの上ない良好な状況だ。湯をたっぷりと堪能してから、宿の看板猫であるトラ猫とシャム猫と戯れる。
帰路は往路と同じく、上足寄の道で分岐してカネラン峠へ向かう。今夜もこの集落は静まりかえっているが、いつか、昼間の明るい時間にゆっくりと散策をしてみたいと思っている。例えば、夏の昼下がりにこの地の農協売店でおやつを買い、可愛らしいガソリンスタンドで給油をして、近くの牧草地の側に車を停める。おやつを食べた後は、窓を開けてちょっと昼寝をする。爽やかな風が車内を通り抜けて、きっと気持ちが良いだろう。
そんなことを想像しながら、カネラン峠までのダート道を登る。夏の砂利道とはうってかわって、雪と氷で締まったダート道は非常に走りやすい道になっている。
峠まで登れば、陸別の市街地まであともう少し。

 
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