移住体験日記12/27-1/3【令和2年1月3日】【小利別醸造所のはなし】

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2019年12月-2020年1月_千葉から

【令和2年1月3日(金)】
天気:晴 8日目 最低気温:-17.4度、最高気温:-0.7度
日の出:6時57分 日の入:16時00分 日照時間:9時間03分

今朝は7時に起床して部屋の片付けを始める。窓の外を見ると、庭に猫が3匹、雪の中を散歩している。猫たちと遊ぼうと思い、私も外に出てみるが、彼らは微妙な距離を保っている。仕方がないので車に付着した氷を落としていくことにするが、そんな私を見て猫たちが声をかけてくる。
思えばあっという間の8日間であった。冬季の陸別町にはこれまでにも幾度となく訪れているが、快晴となることが多い印象だ。今回の移住体験期間中も、雪や雨の日はもちろんあったものの、基本的には晴れの日が多く、私が現在居住している関東地方と同様に、顕著な太平洋側の気候を呈している。
冬の十勝地方の晴れの日を表すとき、「十勝晴れ」という言葉がよく使われるが、ここ陸別町もやはり十勝地方であることを実感した。そんな陸別町は1948(昭和23)年に十勝国に編入されるまでは釧路国に所属していたが、町内を流れる利別川は十勝川の流域に属しており、やはり、十勝国に所属しているのがふさわしいのだと思えた。
北海道に移住する人に人気がある場所は、苫小牧や登別等の太平洋側の地域であるということを聞いたことがある。その理由としては、大都会札幌や新千歳空港に近く、道内でも比較的温暖で雪が少ないからだということだそう。人がどこへ移住しようが否定するつもりはないが、そういった人達が何を求めて北海道に移住しているのか、私にはよくわからない。いや、わかる気もするけれども、それなら北海道でなくてもよいのではないか。(個人の見解です。)
この移住体験期間中は比較的晴天の日に恵まれた。例年の冬に比して降雪量は非常に少なく、雪道の運転についてはそれほど危うさを感じる場面はなかった。
移住体験は今日で終わってしまうけれど、もうしばらくは陸別や十勝の空気を味わっておきたいと思う。


【小利別醸造所のはなし】

日本では、ウオッカは、主に麦などの穀物を原料として糖化・発酵した後に、連続式蒸留機で蒸留した後、白樺の炭でろ過したスピリッツをいう。ほぼ無味無臭無色だが、実際には僅かばかり原料由来の香りやアルコールの甘さが感じられるお酒だ。東欧や北欧では、ジャガイモ、トウモロコシ、ブドウやリンゴを原材料としたウオッカも製造されている。
もし、小利別の地でウオッカを製造するとしたら、十勝産の大麦、小麦、ライ麦やジャガイモを原料として、白樺は町内の森から切り出したものを加工した炭を使用したい。
水の確保は苦労することが想像できる。井戸を掘れば、水は確保できると思われるが、良好な水質であるかどうかはわからない。軟水なのか硬水なのか、水量はどれくらい確保できるのか。利別川の利用も考えられるが、その流れは細く、冬季には凍結してしまうことだろう。
敷地は小中学校跡地の北西側に、比較的広い平地が確保できそうだ。所有者は誰であるのか、賃借するにせよ、譲り受けるにせよ、金額の相場については想像が及ばないところだ。
スピリッツの製造免許を取得するためには、諸々の要件をクリアすることが必要になる。その要件の中でも、最低製造数量である年間6,000リットルを製造し、利益を確保していかなければならない。単純に見積もれば、毎月の製造数量は500リットル以上が必要になる。四合瓶(720ミリリットル)で約700本を製造し、販売先を確保する事業計画を立てないことには免許は取得できないだろう。
一般的には、ウオッカは製造後に貯蔵して寝かせることはしないようだ。しかしながら、日本最低気温を記録したこの土地であれば、例えば、マイナス30度を下回る気温の中でひと冬を越したという点も、商品の付加価値とすることができそうだ。
ボトルのラベルと銘柄の名称は重要であると考える。「寒さ」、「オーロラ」、「銀河」のうちどれかは取り入れたいところだが、日本語とするのか、他国語とするのか。「オーロラ」は、ロシア語では「アブローラ」や、「北の輝き」という意味の言葉でも呼ばれているようだ。日本語だけでなくアイヌ語にそれらの言葉や音の響きを求めることもよいかもしれない。
ようやく掘り当てた小利別の温泉で体を温めた後、陸別産のウオッカでほろ酔い加減の目に映る星空はきっと美しいものだろう。
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